電話をかけているふりをしている僕の後ろで、りんは彼女に助けを求めている。



「りんちゃん見て。電源入ってないよ」

「あー!だましたのぉ!?」

「はははっ…」




りんのおかげで空気が和み、僕らはまた笑うことができた。









「おごってもらっちゃってすみません」

「なんだよ他人行儀な…同級生だろ。持ちつ持たれつ」

「そうね…。…じゃ私は帰りま…」

「お姉ちゃんも行こー!おじんが今からアニマルパークに連れてってくれるって!」



りんがいきなりそう言った。



…僕は聞いてないぞ。




「でも…ねぇ」

「あ…、よかったらどう?りんもこう言うし…」



軽はずみに誘った。



「ねぇ行こうよー、ねぇー」



りんはしつこく誘っている。



「…じゃ、行こっかな」

「やったぁ!よかったねぇ、おじん!」

「あ?ああ…つーかおじんて言うなって!」




りんは…何か見抜いていたのだろうか…。



でも僕たちはもう…