「ありがとう、お姉ちゃん」




…だめだ。



帰ってゆっくりしよう…






「会場は…ここだよね?」

「…へ?」

「同窓会。貴佐田中学の」

「…は?」

「…やだ私間違えた?高原くん…じゃないの?」

「み…やび…?」

「そうだよ、やっぱり高原くんじゃない!もう、びっくりしたぁ…」





幻では…なかった。



本当に…彼女だった。






「ねぇ、どこに行けばいいの?」



彼女はずんずん中へ入って行こうとした。



「みやび、同窓会昨日…だった」

「うっそぉ!?だって…15日だったよね!?」

「今日は16日だよ、お姉ちゃん」

「えー!?…やだ私、はは、ははは…」



彼女はすっかり力が抜けたように笑った。



「あっはっはっ、お姉ちゃんもドジー」

「こら、りん!」

「あはは、本当にドジだ!あーあ。やっと呼んでもらえて…せっかく来たのにな。しょうがないや。じゃあね!」

「ああっ、せっかくだから…ここでランチでもどう?あ…別に深い意味はなく…」