いつの間にかの朝…
シャキッとしろと言われても…
僕はまだぼんやりとしながら部屋を出た。
「おい俊平!こんな感じでいいかな?」
父が服装の評価を求めにきた。
「ああ、いいんじゃない」
僕は力なさげに答えた。
「なんだよー。おまえのことなんだからな!今夜、楽しみだなぁ!ははは」
父は、はしゃいでいた。
楽しみなのは…周りだけだ。
今夜は僕の、お見合いだ。
なかなか身を固めない僕に周りがしびれをきらし、こうなった。
僕は乗り気ではない。
ほっといてくれ!
という感じだ。
「わーーーー」
「…ぅわっ」
姪のりんが突進してきた。
「おじん、あそぼ!」
「おじんって言うなっつってんだろ!」
「きゃはは、おじんおじん!」
「…………」
りんは、伯父の僕をからかうのを趣味にしている。
まったく…
父である悠二は一体どういう教育をしてるんだ。
「おじんおじん!ぐるぐるして?」