「え?」
後ろから、別の店の女の子が声をかけてきた。
振り向いたら…
「みやび!?」
僕は自分の目を疑った。
「みや…」
「何言ってんだよ高原。この娘は福澤じゃねぇぞ!全然違うぞ!」
「もう帰った方がいいよ、な!」
僕の目は…
疑った通りだった。
一瞬…10年前、大都会で再会した時の彼女が見えた…。
森が言うように、ベロベロに酔ってたし…
錯覚か…。
「…うわぁ!なんだよ…」
突然目の前に母の顔があった。
「なんだよじゃないでしょうが!いつまでも寝てるんじゃない!」
「………あれ?」
僕の頭はぼんやりしていて…
何が起こっているのか…
「…ここ家?」
「そうよ!あんたゆうべ酔いつぶれて森くんに抱えられて帰ってきたのよ!」
「えー…そうだったのか…」
「ふぬけた声出してんじゃないわよ!シャキッとして!今夜なんだからね!」
母は僕の布団をはぎ、窓を開けて、行った。
「……さみぃ」