「…もういいだろ、この話は!」
「そうよぉ、人の心の傷をえぐるのやめなさいよー」
「そう言う堀田さんが最初に言ったんだろ!」
「あら、そうだっけ?…あ、もう東京に帰んなきゃ。旦那が今日中には帰ってこいって言うのよー、めちゃくちゃよね!じゃ皆さんお元気で~」
堀田さんは種を蒔きちらしたまま帰っていった。
「高原…、元気出せよ!」
「そうだぞ!もっといい女はいくらだっている!」
「別にひきずっちゃいねぇよ!何年経ってると思ってんだよ」
そうさ。彼女のことはもう…
同窓会のあと、僕らは男5人で二次会、三次会と行った。
みんなを帰さなかったのは…僕だ。
「もう1件行こうぜ!」
「おれもうだめ…。これ以上酔ったらカミさんに叱られる…」
「情けないこと言うなよー。僕はまだまだ行くぞぉ!」
「高原、おまえももうベロベロじゃねぇか」
「そんなことない!よし、あの店にしよう!」
なんだか僕は、潰れるまで飲みだい気分だった。
「おにいさん!そっちよりうちの方がいいよ!」