「啓太くん、久しぶりだね」

「…そうっすね」



なんだかよそよそしかったけど…僕は続けた。



「みやびたち元気でやってるかな?向こうはハンパなく寒いんだろうな。風邪とかひいてなきゃいいけど…」



啓太くんは立ち止まった。



「みやねえのことはもう忘れてあげてください」



少し怒ったような口調でそう言い、再び歩き出した。




「何か……何か知ってるのか!?」



はっとして、啓太くんを問い詰めた。



「僕何か悪いことしたのかな!?…彼女がどうして別れようって言ったのか僕は全くわからないんだ。何か知ってたら教えてくれ…!」



僕は必死ですがりついた。
だけど啓太くんの口は堅く…



「頼む!教えてくれ!何か知ってんだろ、だから…」



めげずに僕は、しつこくついていった。



「…んあ~、もう!言いたくないっ!言いたくないけど…」

「………!?」

「みやねえは…あんたのことが好きだから離れてったんだ。あんたの幸せを思って身を引いたんだ」