自惚れかもわからないけど…
そう思えてならなかった。
嫌いって言った彼女の目はとてもつらそうに見えた。
ある日の帰り道、小腹が空いたから堀田さんのたこ焼き屋に立ち寄った。
「おー久しぶりだねぇ!高原くんまた来るって言って全然来てくれないんだもん」
「はは、ごめん」
「みやびちゃんは来てくれたよ」
「え、いつ!?」
「えーっと、先月の半ばくらいかな?あの人本当に変わったねぇ!びっくりした」
彼女がここに…
「…高原くん?」
「…え?」
「はい、たこ焼き」
「ああ、ありがとう…っと、いくらだ?」
「いらないよ。高原くんこの前おつり忘れていったから」
「そう…だった?」
「そうだよー。確かねぇ、怒らせたみやびちゃんの所へ慌てて戻って行ったんだよ。…今日は一緒じゃないの?」
「え…うん。みやび北海道に行ったんだ」
「えー!じゃあ遠距離になっちゃったんだ…」
「いや…、僕はふられたんだ」
「えーー!…なんでまた!?だってみやびちゃん昔っから高原くんのことさぁ…」