僕は心の中でそうつぶやき、彼女をみつめていた。


そんな僕の心を察していたのか…

彼女は僕から大きく目を逸らしていた。





「……あ、終わったみたいだよ、降りよ!」





どうして僕たちは別れなきゃいけないんだ…






「今度は私が乗りたいの付き合ってもらうよ!」

「え~?あれ?」





閉園まで、僕らはひたすら楽しんだ。








「さて、次はどこ行こっか?…腹減らね?」

「もう帰ろ。引っ越しの準備がまだ残ってるの」

「そう…」




帰ったら…


もうそれで本当に終わりになってしまうのか…





夕焼けの色がやけにせつない帰り道…



残りわずかという時間なのに、2人とも何も話さなかった。


そして、そう近くもないはずなのに、あっという間に彼女のアパートへ着いてしまった。





「じゃあね。今までありがとう!…楽しかった」



彼女はめいっぱいの笑顔で、僕に別れを告げ、中へ入っていった。



「…待って!」



僕は彼女を呼び止めた。