「え!?」

「私、この前遊びに来た由衣ちゃんと一緒に北海道で再出発するの。由衣ちゃんも夢に破れて傷心してるんだって。だから2人で何かやろうかって…」

「なんで勝手に決めちゃうんだよ!?」



突然のことに驚き、声が大きくなった。


「だって…私たちもう別れるんだから関係ないじゃん」

「別れるなんて僕は…」




うつむいた彼女の横顔が、必死で涙をこらえてるように見え…これ以上は責められないと思った。



何か…



彼女の中で何かが崩してしまったんだ。



僕はそれを見逃してしまっていたんだ…。




「…わかった。どこ行く?……最後のデートを楽しもう」




こうして、久しぶりのデートは…
最後のデートとなった。






僕らはずっと笑ってた。

別れてしまうなんて…信じらんない時間を過ごした。






「やだ!絶叫マシンはもういい~!」

「ここの名物はあれなんだから乗らなきゃ損だぞ」

「そんな損いらなぁい…」




付き合って4ヶ月、彼女が絶叫マシーンが苦手なのを初めて知った。