「へへ、特異体質なのよ、私」

「そうなの?…ん、何よ!」



啓太くんが由衣ちゃんの背中をつついている。

…僕に気を遣ってるようだ。



「あ…、え?彼氏!?じゃあ私ら邪魔だねぇ」

「邪魔なんかじゃないよ!由衣ちゃん来てくれて嬉しいよ!」

「…僕が帰るよ。じゃあ…またな」



話の途中だったけど、僕は彼女の部屋をあとにした。

由衣ちゃんが来て、彼女はすごく嬉しそうに笑ってた。

あんな笑顔…久しぶりに見た気がする。


邪魔なのは僕の方だと…思った。







「あんたも帰っていいよ」

「はいはい、わかりましたよー」





啓太くんが走ってきて、僕と並んだ。


「へへ、ぼくも追い出されました」



啓太くんはおちゃめに笑う。



「すみません、なんか邪魔しちゃって」

「ああ…いいよ。彼女喜んでたし」

「じゃ」

「あ、ちょっと聞きたいんだけど…」

「はい?」

「彼女…ここんとこ何か様子がおかしいとか、なかった?」

「え?」

「何か言ってなかった?」