「バイト…行ってないよ」

「え?だって、バイトがあるからずっと会えなかったんじゃ…」

「え?…そうだったっけ?」



彼女はとぼけている。



「…どうしちゃったんだよ、どこか具合でも悪いのか!?」

「元気だよ!どこもなんともないよ!」

「本当か!?」

「うんっ!」

「…よかった」

「……………」





笑って……ガッツポーズまでして元気だと見せた後、彼女は僕に背を向けた。



「ゆうべ言ったことも本当だから…別れよ」

「…いやだ」

「そんなこと言わないで別れてください…」

「ゆうべ…言ってたことが理由なら僕は別れないよ。…なんで急にふさわしくないとか言うの?僕ら一緒にいて楽しかっただろ?」

「…………」



彼女は黙り込んだ。



「…な。これからもずっと一緒に…」

「…ったの」

「え?」

「苦しかったの!急にじゃない…。ずっと苦しかった。もう…中学の時からそれは思ってた。高原くんとまさか付き合えるなんて夢みたいな話で…単純に思えばすごく幸せなことだけどやっぱり過去はつきまとうし…」