「なに」

「今朝のことだけど…、確かに僕はまだ親の気持ちはわかってないかもしれない。だけど本人は…あの子はあの子で苦しんでるんだ」

「ふーん。あんたは真面目に行ってたのに不登校児の気持ちがわかるっていうの?」

「そりゃ…全部はわからない。だけど…とにかく苦しんでいるんだ」

「そういえば福澤さんって、あの福澤さんでしょ?不登校だった…」

「…そうだけど。それがどうしたんだよ?」

「俊平…どうしてあの娘とお付き合いしてるの?母さん…合わないと思う」

「…なんでそんなこと言うんだよ!?」

「だってあなたは今までずっと真面目に生きてきたのよ。それをあの娘が壊しそうで…母さん恐いわ」

「みやびは…!…母さんがそんなこと言うなんて思わなかったよ」




食事も途中で放り投げ、僕は部屋を飛び出した。











「俊平!今電話かけるとこだったの。夕方の電話、なんであんなに謝っ…」



僕は彼女の部屋を訪れ、玄関のドアが開くなり、何も言わずに彼女を抱きしめた。