「そうだったんですか!」

「不登校児…みたいね。私は俊平にケータイを届けに来て修羅場に遭遇したんだけどね」

「修羅場!?」

「大変よね、あんなお子さんを持つと。……じゃ、私は今から買い物に行くので。あ、俊平が今度3人で食事しようって言ってたけど、聞いた?」

「いえ…」

「そのうち言うと思うけど。じゃあまたその時会いましょう!」

「はい…」










母の言葉が彼女の心をチクッとさせた…。











帰りも僕は賢ちゃんの家の前を通ってみた。

今朝とは違って静寂に包まれている…。



賢ちゃんは…


大丈夫だっただろうか…?







彼女のアパートにも寄ってみた。



…まだ帰っていなかった。





会って…



なんだか強く抱きしめたかったのに…。











「ただいま」

「おかえり~。おいしいおいしい母さんの田舎料理ができてるわよ~」

「…本当だ。懐かしいにおいだ」



うちのおふくろの味は、僕らの好きなもん何でも入れたゴッチャ煮だ。







「…ねえ母さん」