「そうなんだ。また遊べるといいな」

『ね。でも難しいだろうなぁ、あれじゃ』

「な…」

『明日…学校行くのかな…?心配だなぁ』










翌朝、賢ちゃんのことが気になり、僕は少し早めに出た。


彼女もすごく心配していたけど、今日に限って早朝バイトらしい。






「俊平!」

「母さん!?…何だよ!」



賢ちゃんの家の手前に着いた時だった。



「何だよとは何よ!ケータイ忘れてたから届けようとしたんじゃない!あんた速いから追いつくの大変だったわよ!何だって走って通勤するのよ!」



母は息を切らして怒った。

…無理もないか。



「ごめん…。ありがとう…」



その時、賢ちゃんが母親に引っ張られ、家から出てきた。


賢ちゃんは片方の手で門にしがみついている。





「ひとりで行くよ…!」

「嘘おっしゃい!そんなこと言ってまたあの変なスクールに行くんでしょう!お母さんが学校まで送るわ!」

「やだ…!」




賢ちゃんは必死で抵抗している…。



「あんた行くって言ったじゃない!親を騙したの!?…あ、ちょっとあなた!」