店内に入り、彼女を探す…


「おおっと、ここ俺の台だかんな!」


勘違いしたおっさんが、たまたまそこにいた僕を押し退けた。

僕はパチンコをしに来たんじゃない!

腹が立ったけど無視した。そんなことに構ってられない…



「あ…」


みつけた。

森が言った通り、彼女はここで働いていた。



「福澤さん!」


呼んでも彼女は振り向いてくれなかった。


キャバクラの時のことを思いだした。
でもまさかここでも名前を呼んではいけない…なんてことないはず…。


今度は近くまで行き、肩をちょんとつついた。

…振り向いてくれた。


「高原くん!びっくりしたぁ。わー久しぶりだねぇ。遊びに来たの?」

「お金…借りてたの返そうと思って。あの次の日店に行ったけど辞めたって…ずっと探してた」

「あ…、もうよかったのに」


彼女は差し出した金を受け取ろうとしなかった。
だから僕は、彼女の制服にちょうどいいポケットがあったから、そこにひょいっと入れた。


「そういうわけにはいかないよ。…仕事終わったらさ、そこのファミレスに来て」

「えー、何時に終わると思ってんの?」