「よかったですね、戻ってこられて。それでは私はこれで…」
「ちょっと待ってください!この人たちに何か処分とかしてくださらないの!?」
母親は帰ろうとするお巡りにも怒鳴った。
「この人たち子供を連れ去ったんですよ!」
「…別に誘拐とかじゃないんでしょ?」
「当然です!僕らは3人で公園で遊んでただけです」
「君たちはこちらのお子さんとはお知り合いなんですか?」
「私は賢ちゃんの通ってるフリースクールでボランティアをさせてもらってる…」
「違います!まったく知らない人です!うちの子はフリースクールなんか通ってません!失礼なこと言わないでください!」
母親の蔑んだ目に、彼女はもう、抑えきれなくなった。
「フリースクールの何がいけないんですか!?」
「あんな所は負け犬が通う所です!うちの子は負け犬じゃありません!」
「それは絶対に違います!賢ちゃんも通ってるみんなも負け犬なんかじゃない…!」
彼女は涙目になって叫んだ。