そういえば、昔もこんな事あったな…


まだ、葵と知り合う前に…










『いったー』

「楓!大丈夫!!」


体育の時間にバスケットボールの試合中、相手ボールが私の腕に直撃。



しかも、鬱血して腫れ上がってきた。



「わわわ、保健室行かないと!」

『大丈夫だって!』


平気そうに笑顔を向けるが、友達の紀子(ノリコ)は落ち着かない様子。

女の体育先生も相手チームも心配そうに、私の所に駆け寄る始末。



そりゃ、痛く無いと言えば嘘だけど。
でも、ボールを当てた人が可哀想だし…



この場をどうしようか考えてると…



「はいはーい!保健室に運びます!」

『え』


アル人物の名乗り出で、騒がしい声がピタリと止んだ。



「き、城崎!?お前授業はどうした!」


先生はビックリしながらも、城崎くんに怒った。