「最初はいつもみたいに手を出してみようと思ってた」



゛わぁ!地面が桜色!゛



「この桜の木の下で、無邪気にはしゃいでる愛美を見て不思議な感じがしたんだ」

『…』

「その後いつもみたいに手を出して、他の女と違った雰囲気の愛美を見て驚いたよ」


先輩はフッと口元を上げて笑った。



「デートして、愛美は他の女と全く違う。そんな感情さえ生まれた」

『せん…っ!!』


近づいて来た先輩に手を引かれて、私から先輩の胸に飛び込んだ形になった。

そして背中に回された先輩の腕が私を逃がさないようにキュッ抱きしめる。



「最初っから心を奪われてたんだ」


耳元で囁いた先輩にドキッと胸を弾ませた。













「愛美が…


…、好きだ」



先輩の表情が伺えなくって今どんな顔をしてるかわからない。

表情はわからなくとも、きっと本気の言葉に違いない。



…そう、信じたい…っ