すると、真衣が私の肩をニヤニヤしながらツンツンと突っつく。
「愛美は特に可愛いから気をつけな!
噂だと、入学式に女の子物色さてたらしいよ」
『可愛くないし!!てか、どっから仕入れるのよ、そのネタ』
「秘密♪」
好奇心満々の真衣の事だ。
きっと廊下で立ち話してた話でも盗み聞きしてたんだろう…
「てか、そろそろ昼休み終わりだし!戻ろ!」
『はーい!』
先に歩く真衣の後に続こうと一歩踏み出した時に強い風が吹いた。
その風に煽られて宙に上がった桜の花びらに目がいくと…
『…?』
屋上に立っている人に目がいった。
あの人私を見てる…??
こっから遠くっても視力は全然いいはず。
だから顔がこちらに向いてるのが分かる。
「ほら!愛美!!」
『…!!あ、待って!!』
真衣の叫び声にハッとして我に返り、先の方で待っている真衣の所に急いで走った。