「んー、いい匂い!

このにおいはオムライスだね!

っていうか、話ってなに?」


「あ、あぁ。

実は昨日、バイトの募集をしたんだ。

それで、最後はお前の舌に決めて欲しくてな。」


「いいじゃん、お父さんがその人って決めたんだったらさぁ。」


だが、どうしても、もぐに食べてもらいたい父。

「いいから、いいから。

早く食おうぜ?」


もぐはあまり気が進まなかった。

なぜなら、もぐは亡くなった母との思い出がオムライスに詰まっているため、こだわりがあった。