「橘くん。どうしたの?」


………



ん?無言。


どうしたのかな……



「みんなに見せたくなかった」


見せたくなかった?

何のことだろう?



把握できていない私に

橘くんは言葉を付け足した


「その……。サンタ姿を誰にも見せたくなかった……」



あっ



私今すごい格好してるんだ!



思い出したら顔が一気に

赤くなるのが自分でもわかった



「だから…。その…。連れ出した。いきなりごめんな」

そう言う橘くんは

少しさみしそうだった


「あ、うん……」

「選んだの俺なんだけどな。」

橘くんは微笑んでいた

けど私には作り笑いにしか

見えなかった


「じゃ、戻ろうか。あいかはそのまま更衣室で着替えてこいよ。上着はあとででいいから!」


「…。わかった」