朝がきた。

今日はまず
倫紀のいる1組へ行く。

そして作戦実行。

考えるだけでドキドキした。

あたしが苦しんだ
あの苦しみを
倫紀にはわかって欲しくないから。

倫紀だけじゃない。

誰にも
わかって欲しくない。

「おーい!!美優ちゃん。行こ?」

信号が
赤から青に変わった。

「あっ。ごめん。」

一歩ずつ
確実に学校へ近づく。

時間も
時を刻む。

過去は変えられない。

だけど
未来はこれから。

自分で作ることができる。

まず
あいつを
あたしたちより先に
倫紀に接触させないこと。

あたしは最近
あいつを信じてた。

バカだった。

人間なんて
そんな簡単に変わらない。

賢くて
スポーツできるだけじゃ
意味ないんだ。

人の気持ちを
考えて行動する
行動できる人じゃなきゃ
ダメなんだ。

もしそれが
人からいわれたことだったとしても
それを実行したのは
あいつだ。

あいつが
本気で笑ってるときの目が
すごくキレイで。

あたしバカみたい。

ずっと前に好きだった男だよ?

今は友達を
苦しめようとしてる。

なのに
いいところしか
思いつかない。

「美優ー!話って?」

ん?

あたしいつの間にか?

「おっはー。倫紀。今日は絵理から重大な話があります。」

「えー?俺?」

「んじゃあたしが。」

「実は…」

「って絵理が言うんかい!」

「ともトイレ行きたいんだけどー。」

「冗談だって。あれ。」



んー?

「つまりなかったことに…。」

絵理昨日の打ち合わせは…

「えっ。まじ?」

倫紀の目が
曇ったのあたしには
ばれてるよ。

「あ。良かった。」

笑顔で返す倫紀。

ごめんね。

「ともにはダーリンいるから!」

「そうやね!」

倫紀すげー。

本当は
ショックなんでしょ?

何かあったら
あたしにいってね。