「あんね。早田、美優ちゃんのこと好きなんて!秘密よ!」

「えー!絶対嘘だー。」

「本当やけ!」

近くにいた男子が
話に入ってきた。

あたしは
ただ遊ばれてるって
そう思った。

そう思いたかった。


由美子に
どうしようって
早田の名前を出した訳じゃ
ないけど知ってた。

「期待させん方がいいよ。」

「わかった。」

なんだか
別にいやって
訳じゃないよ。

だけど
あたし…

もう無理ー。

思考回路停止。

つか
考えすぎで
故障。





放課後。

花壇に花を
植えなきゃいけなかった。

別に
あたしの組じゃなくて…

倫紀の組。

あたしが
帰る友達が美化係で…。

それで
あたしが手伝ってるというか…

「うわー。最悪。」

雨が降ってきた。

三者懇談がある関係で
1時に終わってたけど
今は…
4時。

話ばっかで終わらない。

他の組は終わってるのに…

―トントントン

足跡がして
振り向いた。

「鈴村。」

「梶山ー!カバン持って。」

「つか、花壇手伝って。」

「うっわー。頑張れ。」

カバンを持たされたあたし。

鈴村は
なにもなかったかのように
友達としゃべってる。

だけど
このカバン重すぎ…

「何入っちょるん?」

「勉強の」

「嘘やろー。」

「本当やし!」

何だか
達弥くんと
重なって見えて…

全く
似てないのに…。