「美優ちゃんなら楽勝よ。」

「けど今は昔と違って…」

「アカデミックでも余裕よ。」

話きけよー。

心の中で叫ぶ。

当然聞こえはしない。

「バカじゃ入れないって…」

「でも私立でしょ?」

カッチーン

カチカチ
カチカチ
カッチーン

「うちの羽菜はその高校は行かないわよー。」

誰も
聞いてないって。

つか、
こっちがいう前に
話の内容そっちが切り出してるし。

「何でですか?今頭のレベル高いんですよ?」

どうか
あたしがキレませんように…

「うちの先生が羽菜の頭じゃ勉強がつまらないだろうって。アカデミックでも」



うぜー。

うちの羽菜はって!

親バカすぎんだよ!

「けど今は学校変わったから!」

話を聞いてて
我慢してたっぽいけど
ついに堪忍袋の尾が切れたのか
話に入ってきた。

母親同士のバトル
スタート!

って喜んでる場合じゃないかっ。

あたしと羽菜は
トイレに逃げこんだ。

「羽菜ーぁ。一緒いこうよ!」

「えー。でもー」

「今なら確実特待生+団体行けるよ?」

「うち頭いいとこいきたいし」

話にならない。

私立はバカだって
誰が決めた?

しかも今は
羽菜がその学校いったって
半分にも入らないよ?

同じテストやって
あたしの方が点数いいのに
あたしの順位が下だもん。

どういうことか分かる?

羽菜の学校は
優秀な人が少ないってことだよ。

少なくとも
あたしの学校は県でも
バカな方なんだから
人をバカにすんのも
いい加減にしろって。