高砂雫は廊下に陣取る女子たちに軽く手
を振ると、かけたメガネをかけ直して
にこやかーに去っていこうと
する。
……って、そうはいくもんですか!あいつ
のこと尾行して、ほんとに天然爽やか王
子なのか確かめてやる!
ー尾行して10分。
体育館の裏に来たとこで、高砂雫の足は
止まった。
「───ねぇ」
……………………え
「なんで俺のこと尾けてるの」
……な、な、
「なぜバレたッッ!?!?」
「最初っから気づいてたよ、あんなヘッタ
クソな尾行。なに?アンタも俺のことも
っと知りたいとか、そんな感じ?」
……………………え?この人ほんとに高砂サン
ですかね?
「……化けの皮剥がれたのか……な?」
「あ''?」
あー……高砂サン激おこスティックファイ
ナリティぷんぷんドリームですねこりゃ
、はい。
「まぁいいわ。なんでそんなことしてたの
かなんか。そんなことよりさぁ……」
高砂雫がゆっくりとこちらに歩いてくる
。思わず後ずさるとすぐに、背中に無機
質で冷たい感触が伝わった。
高砂雫は私を壁に追い詰めると、頬から
首筋へとゆっくりと手を滑らせていった
。
「…俺今すっごく暇なわけ。相手してくれ
ない?」