「無茶な夢だとは思うけど、僕はこの代で三神家を潰す。
そして、誰もが幸せに暮らせる世の中を作りたい」



夢を語る遠矢くんの目は、綺麗に輝いていた。




「遠矢くん、あたしにも協力させて」

「小町さん…?」

「あたし、ルカの死を目の前で見た。
あんな辛い思い、誰かにさせたくない。
だから、あたしも協力させて」





正直言って、現代で殺人事件のニュースが消えてはいない。

だから、あたしたちがどう足掻こうと、未来は変えられないかもしれない。

でも、最初から無理だと諦めるあたしたちじゃない。




1人1人の努力が、

大きな結果を結ぶと、信じたいから。






「そういえば小町さん。
小町さん、櫻刀保持者だったんですね」

「ねぇ、その櫻刀保持者って何なの?」

「え?
小町さん、ご存知ないんですか」

「うん」




櫻刀を眺めながら、遠矢くんは語る。




「櫻刀は、伝説の刀と言われているんですよ」



伝説の刀?