遠矢くんも、恐る恐るあたしを抱きしめる。




「遠矢くんっ…!
会いたかったよォ~!!」

「小町さんっ…!」




ぎゅっと、固く抱きしめあうあたしたち。





もう嫌だ。

離れたくない。

ずっと、一緒にいたい。

永遠なんて普段信じないけど。

…今だけは、信じたい。






「ごめんなさいっ…。
ずっと…黙っていて…ッ」

「遠矢くんっ…。
驚いたよ、まさか三神王政だったなんて」

「…ずっと、嫌だったんです。
だって僕は、三神王政じゃない。
僕は99代目三神王政に引き取られた養子なんです」

「…王司さんが、少しだけ話してくれた。
遠矢くんのことも…少しだけ」




遠矢くんは抱きしめる力を強くすると、小さくあたしに語り始めた。





お父さんが、99代目三神王政に剣を教える先生だったこと。

絶望の果て、遠矢くんを殺そうとし、自分たちは亡くなったこと。

倒れていた所、99代目三神王政引き取られ、養子となったこと。

99代目が王司さんに、遠矢くんに剣を教えることを命じたこと。

…いつしか、王司さんを超す天才剣士になっていたこと。