「……どんな、夢を?」

私は首を横に振る。

「覚えてないの」

思い出そうとしても、まるで霞がかったかのように、見えなかった。
残っているのは、震えるほど怖かったという感覚だけ。

「そう」

響哉さんは私の頬を撫で、背中を撫でてくれる。

少しずつ、強張った感覚が溶けていく。

「添い寝してあげようか?」

低い声に、心臓がどきりと高鳴った。