気持ちがいっぱいになって、喉が詰まる。

響哉さんはくしゃりと私の髪を撫でた。

「……俺の目の前で、B級映画さながらのラブシーンを繰り広げるっていうなら、今後一切ここへの立ち入りを禁止する」

佐伯先生が面白く無さそうに呟いた。

「誰がお前なんかに見せてやるか、もったいない」

響哉さんは言うと、私の肩に手を回す。

昨日と同じように理事長室の秘密階段を抜けて、地下へと向かう。

車の上には、また、封筒が置いてあった。響哉さんは今日もそれをいまいましそうに握りつぶしていた。