「大歓迎」

言うや否や、響哉さんはあっけにとられている私を腕の中に抱きしめた。

「……何、言ってるの?」

「怒っていいって言ってるの。どうぞ」

「子供だからって、馬鹿にしてんの?」

そうとしか思えない。

ペギーの本気を簡単にあしらうように、私の本気だって、きっと……

「そんなことない。
 前ね、啓二くんに聞いたんだ。マーサが本気で怒った姿なんてみたことがないって」

……そうかな。

あんまり考えたことないけど、そうなのかも。

だって、私は養女だし。
少しくらい、遠慮して当たり前だわ。