「あ、あの。
 私、足洗ってきますねっ」

いつも怖い顔で響哉さんを睨んでいる春花さんにどんな顔で向き合ったらよいのかわらずに、俯いたままそう言った。

とはいえ、足を洗い終わったらもちろん、二人きりで留守番なんだわー。

なんか、気まずいかも。

私はどきどきしながらリビングに戻る。

「お帰り。大丈夫だった?
 私も真朝ちゃんって呼んでもいいかしら?」

……別人?

私は思わず目を見開いた。

いつものびしっと着こなしていたダークスーツのジャケットを椅子の背もたれにかけ、花柄のエプロンをつけてる時点で、相当雰囲気が柔和に見える。