響哉さんは私の腰に手をまわし、瞬く間に抱き上げた。

「小さい頃は玄関で靴を脱がない子だったけれど、大きくなったら外に裸足で出かける子に育っちゃったかな?」

柔らかい声が耳を擽る。

「真朝さん、社長の邪魔をされるととても困るのですが……」

春花さんが戸惑いがちにそう言った。

「……ごめんなさい」

「マーサは悪くないよ」

思わず謝る私にそう言うと、お姫様抱っこをしてくれた響哉さんはそのまま玄関へと戻る。

「……こういうところを写真にとられて、安い週刊誌であることないこと書かれてもよろしいんですね?」

春花さんは冷たく言い放つ。