「今年は姉ちゃんチョコくれないの?」
冗談まじりに
できるだけ、自分の心をオブラートで包みこんで。
「欲しいの?」
意地悪そうな姉ちゃんが「義理ならあるよ!義理ならね」と部屋の奥から可愛く包装された小さな箱を持ってきた。
義理にしてはずいぶん気合いが入ってるなーと考えた時
なんとなく嫌な予感がした。
きっともしかしたら
そのチョコは他の誰かにいくはずだったものなのかもしれない…。
「どうぞ?」
手を伸ばして差し出されたその箱を
僕は受け取りながら、君の赤い目を見つめていた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…