「バカじゃない?なんであたしがキヨがもらったチョコを食べなきゃいけないのさ?」苦笑いした姉ちゃんに僕はそんなものなのかな?と少し考えた。

「でも、キヨもバレンタインに女子からチョコもらうようになったとはねー。」

ニヤつきながら近所のおばちゃんみたくなっちゃってる姉ちゃんに僕はからかわれてるのが恥ずかしくて冗談交じりに言ってやったんだ。「いつも姉ちゃんくれてるじゃん?」

すると、また少しだけ驚いた顔をして、また笑った姉ちゃんが「あたしはキヨから見て女子なんだー?」と不思議な質問をしてきた。

そりゃそうだろ。

姉ちゃんが…

君が男子だったら

僕は君の涙を見て胸を痛めたりしない。

君の笑顔を見て胸がざわついたりしない。

カーテン越しの君のシルエットを見て

よからぬ妄想なんかしない。