「チョコ…勇気だして渡したつもりだったんだけどな。

やっぱり気持ち伝わってなかったか…」

僕の表情を見て奈々が残念そうに口を尖らせたかと思うと、すぐに真剣な表情になり、僕を見上げた。

「好きだよ清春君。あたしと付き合って…?」

「えっ…?」


しばらくの間、何も答えられずにいた僕に奈々は「返事は後日でいいから…」と言うと呆気にとられている僕を置いてすぐに家の中に入ってしまった。

僕は何がなんやら、わけがわからなくなって、自分の部屋に戻るなりベッドに倒れこんだ。


「告白…された。しかも、奈々に…」

僕は横目でチラッとまだ暗い姉ちゃんの部屋を見た。

姉ちゃんは…

僕が奈々と付き合ったら

なんて言うのだろ…

いつもの調子でからかうんだろうか…。