インターホンを押すとすぐにドアを開けたのが奈々だったから僕は少しホッとした。
だって、それが親とかだったらなんか気まずいし…。
「これ、チョコのお返し」
そう言ってクッキーの入った袋をを渡すと奈々の頬がみるみるうちに赤く染まっていって僕はその様子を見るなり胸がドキドキした。
「これ、あたしにくれるの?」
「義理チョコのお返しだよ‼」
そう、ただ貰ったから返しただけのクッキーに
奈々は頬を赤くして僕を見つめる。
そして「義理なんかじゃないよ…」と小さく呟いた。
その瞬間
僕の胸が爆発しそうなほどにドクンドクン音をたてて急速に弾み出す。
「えっ…?」
「渡し…清春くんの事が好きなんだよ…」
それは16年間生きて来て
初めて異性から告白された瞬間だった。