ドサッ。


 「ほうら、着いたぞ」


 ……先ほど私が逃げ出した、水城家の屋敷に再び戻ってくる羽目になった。


 屋敷の一角にある、清明の館。


 馬から下ろされ、肩に担ぎ上げられ、清明の部屋へと運び込まれ、ベッドの上に叩きつけられた。


 「痛いんだけど! 私は物じゃない!」


 「いちいちうるさい女だ」


 清明は私に近寄ってきて、手首を強い力で掴んだ。


 「離して!」


 「お前のほうから誘ってきたくせに」

 
 「何をバカな」


 清明は私の脇に体を横たえた。


 手首は捕まれたままだ。


 「……そんな下着みたいな格好で、森の中で俺に近づいて来ただろ?」


 下着?


 体にフィットしたTシャツに、ジーンズ。


 この世界では私は、異様な衣装を身にまとっているようだ。