この男が父・母・兄を殺害し。


 酒と女に溺れて、神の怒りを買い。


 そして島は海の底へと沈められるのだ。


 私は直感した。


 この男なら、やりかねない。


 「こいつ……なかなかいい女だな」


 この男・清明は、部下の一人に合図した。


 「清明さま、まさか……」


 部下の確認に、清明は頷いた。


 すると清明の意を受けた部下が、私を捕まえようと寄って来た。


 「何をするの」


 嫌な予感がして私は、地面の土を手に掴んで、寄って来る男の顔目がけてぶつけた。


 「ぎゃっ」


 思わぬ私の反撃に、男は不意を突かれた。


 「生意気な奴だ」


 今度は別の部下が、私を捕まえに近づいて来た。