「ちょっと!」


 ベッドから飛び起きた私は、制止を振り切り。


 一目散にドア目がけて走り、外に逃げ出した。


 そこで髪の長い人に、思い切りぶつかった。


 私は構わず謝りもせず、廊下から庭のような場所へと走って逃げた。


 ふらつき、めまいもする。


 体が自分のものではないような感覚。


 でも逃げなければ大変なことになるような気がして、私はひたすら走った。


 庭の向こうには、木々が生い茂った森のような場所がある。


 私はそこを目指した。


 とりあえず、誰もいない場所へ逃れようと。


 考えるのは、それからでいい。


 どうも私は、わけの分からない世界へと迷い込んでいるようだ。


 脱出方法を見つけなければ。