「必ず罪を償い、生まれ変わって瑠璃に会いに行く」


 その言葉が最後に耳に届いた。


 失われていく私の意識。


 最後に目に映ったのは……。


 目前に迫った津波を、両手を広げて包み込もうとしている清廉の姿。


 海の神の怒りを、その身に全て受け入れて、これ以上の被害を食い止めようと。


 身を挺して、残された島民を救おうとしていた。


 「清廉ー!」


 私はそれ以上声が出なかった。


 消え行く意識の中、白竜の背に揺られながら。


 そして清廉は、津波の中に飲み込まれていった。


 清廉の命と引き換えの贖罪を受け入れたかのように、その後急速に津波は収まった。


 あとは永遠の暗闇……。