「おばあさんが! 助けてあげなきゃ。このままでは………!」


 「さすがに馬に三人は無理だ」


 「放ってはおけない。ならば私が降りるから、代わりに……」


 「待て、私が降りる。お前はこのまま白竜に乗り、老婆を屋敷まで送り届けるんだ」


 「私は馬に一人じゃ乗れないから、私も降りる!」


 結局私も下馬して、入れ替わりに老婆を無理やり馬に乗せた。


 「白竜、屋敷までこの老婆を頼んだぞ」


 人間の言葉が分かっているのか、白竜は屋敷へと向かって走り出した。


 「私たちも、屋敷へと急ごう」


 馬だったら、津波が到達する前に余裕を持って屋敷にたどり着くことができたけど。


 自力で走り抜けることになったため、ぎりぎりのタイミングになってしまった。