「こうして身体まで私に変えたまま、リンと話せる時間は限りがあり、とても短いけれど…

夢の中じゃなく、直接。

この姿で
、どうしても伝えたかった事があったから…。

ここの大気の力を借りて、ほんの少しだけ日向の体を使わせてもらったの。」

凛の頬を柔らかい両手で挟み、少し哀しそうに微笑む…。

「…こうしてると感じる…。リンの迷いを…。」

「俺の…迷い…?」

「リンがね、私の気持ち知って…悲しんでくれた事、分かってるし…嬉しかった。

だけど…、いつまでも縛られないで。

私はリンに、今の気持ちを大切にして欲しい。」

凛は大きく目を開き、
何かに打たれたような表情のまま…黙ってヒナタを見つめる。

「私は自分でレオンとの同化を望んで選び、

肉体は消え去って、魂だけの存在になった…。

こうしている事は奇跡だし、確かに私の魂は日向の中に存在してるけど…

これだけは、ハッキリ言える。

私と日向は別の人間。

…リンが、日向に感じてる気持ちで悩む事なんかないんだよ?」