…その時、聞こえてくる歌声の『違和感』に気付き、凛は眉をひそめた。

日向の声だけじゃない…。

もう1人…

女の子が一緒に歌っている………?

しかも、この声は……

まさか……!!!

凛は滝を目指して、一気に走り出す。

あり得ないと思いつつ、
心臓はドクン…ドクン…と大きく、そして苦し気に脈打つ。


滝の側の平らな岩に腰を下ろし、顔を空に向け…

水飛沫を全身に浴びている小さな背中。

長く柔らかい髪を風になびかせる日向そっくりの横顔。

冷たい水にほっそりとした足を浸して歌っているのは……


レオンの魂と共に、日向の中で眠っている筈の舞乙女。

…ヒナタだった…。