平らな岩に座り込み、
冷たさに慣れるまで軽く足を振りながら、ゆっくりと水に浸す。

目をつぶり、顔を上に向けて、全身に柔らかい滝の飛沫を浴びる。

…滝って、マイナスイオンを発生させてるらしーけど、まさかこんなに効果があるなんて…。

「…気持ちいーなぁ…」

『なぁ…』のまま、開いた口から…。

最初は小さく…。

段々と声を大きくして…

オレは『祈りの歌』を歌い始めた。

音程とか、上手く歌おうとか。

全く気にする事なく、あの日、お風呂で口ずさんだように。

ただただ自然に任せて歌っていると…。

何だか心が開放されて空に向かって広がっていくみたいだった。

自分の中に、ヒナタの魂を感じながら…。

ヒナタと手を繋ぎ、一緒に歌う。

空と大地。

全てに祈りを捧げる美しい歌を………。