「なあ。花壇って、どこ?」

オレが聞くと、真宵は優しく微笑み、

それ以上何も言わずに広い庭の脇にある花壇まで連れていってくれた。

種を埋め終えた後、

真宵に勧められ、1人で寺の近くを散歩しながら

自然と歌いだしたくなるような場所を探す。

「うわ………!!」

裏の森を抜けた先に小さな滝があって、涼しげな水音を立てていた。

濁りのない沢山の水が、滝の麓から小さな川のように山の下に向かってサラサラと流れていき、


滝の前には、うっすらと霧がかかったように細かい水飛沫が舞い、キラキラ光る虹が掛かっていて……。

…凄く綺麗だ………。

滝の側の岩場で靴を脱ぎ、流れに足を入れると、

真夏なのに足が切れそうな位、冷たい…!