「…オレの歌、聞かせて
逆に枯れたりしたら凹むんだけど…。」

それを聞いた真宵は、可笑しそうに微笑む。

「俺が聞いた話によると、
日向が歌った『お猿』の歌が、あまりにも可愛らし過ぎて、皆 心臓がおかしくなったって事だったけど?

…後で俺にも聞かせて欲しいな。」

うっわ…いつの間に真宵に伝わったんだ…?

「結果が無ければ意味がない。

…そんな風に言う人間もいるけれど、

俺は、結果を出そうと一生懸命に頑張っている人は本当に素敵だと思う。

…良くないのは、途中で投げ出す事だよ。」

「…そうだな。」

手の中にある種を、じっ…と見つめ、決心する。

口で色々言うよりも、実際行動に移さなきゃ意味がない。

オレは、あの事件以来、災厄を倒さなきゃ…と思いつつ、自分が努力する事をしてなかった。

練習する機会はいくらでもあったのに。

オレが前に進む為には、今の自分の状態を把握するだけじゃなく、理解しなきゃ意味がなかったんだな。

こんな当たり前に思える簡単な事なのに、

こんな遠くまで来て、ようやく本当に分かったような気がする。