(全く…。
私は香澄にだけは、
昔から敵わない…。)

結局、
呼び出しに応じる事になった彼方は、

待ち合わせの駅に向かって、車を走らせていた。


まだ、幼かったヒナタに見つけられ、

騎士の力を覚醒させられた『あの日』。

先に探し出されていた
香澄に初めて出会った。


自分以外は敵だ…。

他人を信じるな。
認めるな。

そして、関わるな…。

騎士になど、なりたくなかった。

私に話しかけてくるな。

騎士の館に来てから、

ずっと、
そんな態度を取り続ける
彼方に対し…。

何を言われても一向にめげる事なく。

香澄は
毎日必ず彼方の部屋に足を運び、少しずつ接していった。