「人が、見てる」



恥ずかしくてぶっきら棒にそう言う。
胸の鼓動がうるさく鳴り響いている。




「もう一回、見せつけてみる?」

「~っ!!!」




意地悪な笑顔で私に近づく悠斗に、顔を真っ赤にさせて首を横に振る。
すると悠斗は、ケラケラと笑いだす。

からかわれた!





「もう!」

「はははっ」




悠斗は再び私の手を握り歩き出す。





「俺も、春香の事大好きだよ。・・・愛してる」

「悠斗・・・」

「ねぇ、それじゃあダメなの?」

「え?」

「俺は春香が好きで、春香も俺が好き。それじゃダメ?物足りない?」






悠斗はいつだって、私の欲しい言葉をくれる。
考えすぎてしまう、ダメな私を救う言葉をくれるんだ。