「花火大会だろ、お祭りに・・・海とかさ」




楽しそうに話す悠斗。





「・・・海はいけない・・・」





自分の身体にある、消えない跡を思い出しそう言う。
悠斗は前を向いたまま、握っていた私の手を強く握りしめた。




「海は、別に入らなくても楽しいよ。海の家とかさ」

「・・・そうだね」

「花火大会はさ、県外のところに行って、一泊とかしてさ」




私の気持ちを知ってか知らずか悠斗は私の手を強く握ったまま。
明るく話し続ける。


悠斗は、普通に海とかプールに行ってビキニを着れる彼女の方がよかった?
当たり前だよね。




「楽しみだな」

「・・・うん」

「どうした?また余計なこと考えてる?」




私の事を覗き込む悠斗。
私は、その瞳を見れずさらに下を向く。