「いっ―――……ッッつ!!!!」
「大丈夫?」

呆れながら言われた

「だ…ダイジョーブ!!」


今の衝撃でメガネを支えている鼻の部分がしばらくしびれるような痛みに襲われた

ボールについている目の細かい砂がメガネのレンズについてしまった

メガネケースからメガネふきを取り出して拭きながら見学をしていた


またなんか意味の解らない練習をしていた

前衛であろう1人がネットの近くでラケットを掲げて立っている

それより高くなるようにサイドから斜めに後衛であろうという人が打っている


「これ、なんの練習だと思う?」

アタシはテニス経験者の春名ちゃんに聞いてみた

「ロブの練習じゃない?」

まだテニスを知らないアタシにとって、ボレーだのロブだのストロークだの名称を言われても解らない
最難関だ


「ロブが解んないから追々勉強する~」
「ノンキだなぁ~…」

また呆れられた…


そのロブ的な練習には祥汰先輩はやっていなかった